避妊手術は、望まない繁殖を防ぎ、愛猫の健康と行動管理のために重要な手術です。
この記事では、避妊手術のメリット、リスク、適切なケアについて詳しく説明します。
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監修者プロフィール:小原 健吾
日本小動物歯科研究会、比較歯科学研究会
手術の流れ
手術は全身麻酔で行います。
手術は日帰りで行います。
● 手術の流れ
・手術前診察
手術日を決め、手術当日〜2週間以内の日程で麻酔前の全身的な血液検査を行います。
・手術当日
午前中の診察時間にお預かりし、お昼に施術、午後の診察時間にお返しとご説明をいたします。
具体的には10〜11時頃来院、12時から手術開始、16〜17時頃退院となります。
当院での避妊手術は抜糸の必要がありません。
避妊手術のメリット
本来の目的は、不要な繁殖を防ぐことで飼いきれなくなってしまう猫や外で暮らす猫の数を減少させることです。
その他にも愛猫の健康を守る目的、一緒に暮らすうえでのトラブルを回避する目的もあります。
● 避妊手術のメリット
健康上のメリット
乳腺腫瘍の予防: 初回発情期前に行うことで乳腺腫瘍のリスクが大幅に減少します。猫の乳腺腫瘍のうち、約90%が悪性の乳腺癌と言われています。
乳腺炎の予防:発情周期で乳腺が発達し、そこに細菌感染が起こると発症します。
子宮感染症の予防: 子宮蓄膿症などのリスクが完全になくなります。中高齢で多く認められる疾患です。
想像妊娠の予防:いわゆる思い込み妊娠です。身体や性格の変化や食欲低下などが認められます。
日常生活上のメリット
発情期に見られる特有の行動(鳴き声、マーキング、逃避行動など)、ストレスがなくなります。
特にマンションなどの集合住宅や賃貸、猫の多い地域にお住まいの方には重要な事項です。
当院で避妊手術を行うメリット
安全に行う技術はもちろん、手術用電気デバイスの中でも上位機種の血管シーリングシステムや電気メスを完備しております。
● 血管シーリングシステムとは?
特殊な器具で組織をシール(止血)することで出血を抑えることができる機械です。
これにより従来の糸を用いた止血よりも確実・安全・スピーディーに処置ができるようになしました。
時折、糸に反応して炎症反応(縫合糸反応性肉芽腫)が起こることが知られていますが、そのリスクを最小限にとどめることもできます。
ご興味をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
適切な手術の時期
では、いつ頃に手術を行ったらいいのか確認しましょう。
● 適切な手術の時期
生後6ヶ月齢で早めに行いましょう。
6か月を過ぎると発情期を迎える猫も増えてきます。
発情期にはおしりを高く持ち上げたり、今までとは違う声色や大きな声で鳴いたり、時にはマーキングをすることもあります。
こうした行動が認められると避妊手術を行ってもなかなか落ち着かない子も多く、発情を繰り返すと乳腺腫瘍の予防効果も落ちてため、6か月年齢を迎えたら早めに避妊手術を行いましょう。
手術のリスクと管理
避妊手術は健康な猫に行う安全な手術ですが、全身麻酔に伴うリスクがあります。
● 避妊手術のデメリット
・麻酔リスク
体質的な問題で、麻酔に対するアレルギー反応や合併症が発生する可能性はゼロではありません。
・手術部位の腫れ、痛み、感染症
ほとんどの場合は起こらないですが、手術後に舐めてしまったり付着した汚れを放置すると、トラブルが起こることがあります。
術後は太りやすくなるため、避妊・去勢後用フードに変えるなど、体重管理をお勧めいたします。
手術後のケア
手術後はご自宅でどのようなケアが必要なのか、確認しましょう。
● 手術後のケア
手術後当日は疲れが出てしまうかもしれませんが、ほとんどの場合は翌日には元気になっています。
帰宅後はできるだけ安静に過ごせるようにして、ご飯も一度に与えず少量頻回に与えてください。
翌朝以降はいつも通りの生活ができます。
翌朝もご心配な様子がありましたら、必ず当院にご相談ください。
エリザベスカラーはストレスが強くかかる場合もあるので、エリザベスウエア(術後服)をお勧めいたします。
愛猫の避妊手術は、健康管理とトラブル回避のために非常に重要です。
適切なタイミングで手術を行い、手術後のケアをしっかりと行うことで、愛猫が健康で幸せな生活を送ることができます。
ご相談はいつでも、お気軽にご来院ください。